【症例集】坐骨神経痛:根本原因は?

症例【坐骨神経痛】

坐骨神経痛でお悩みの40代の男性、Yさんという方にご来院いただきました。
右の腰から足首にかけて、痛みやしびれがあります。
しびれは坐骨神経痛の特徴のひとつです。


腰から足の先まで伸びている末梢神経が坐骨神経です。
この坐骨神経の周辺に痛みやしびれが現れる症状を坐骨神経痛とよびます。
坐骨神経痛の原因は、長年にわたって坐骨神経の圧迫だと考えられていました。
しかし、近年は坐骨神経の圧迫が原因ではなく、血管の圧迫が原因だと、考えがそう改められはじめています。
坐骨神経の周辺にある血管が圧迫された場合、その異常を坐骨神経が感知して、痛みやしびれが発生させることがあります。
それが坐骨神経痛の原因だと考えられています。


では、血管が圧迫される理由はなんでしょうか。
腰の骨などに歪みがあっても、血管を圧迫することはありません。
血管を圧迫するのは、骨ではなく筋肉です。
筋肉は過度な負担がかかったり、疲労が溜まってくると、ぎゅっと縮こまって硬直します。
すると、硬直した筋肉が血管を圧迫します。
坐骨神経の周辺にある筋肉が硬直して血管を圧迫すると、坐骨神経痛が引き起こされることがあるのです。
腰の骨などを矯正しても坐骨神経痛が改善されないのは、骨の歪みが原因ではなく、筋肉が坐骨神経痛を引き起こしているからです。
坐骨神経痛の改善には骨の矯正ではなく、筋肉のケアがなにより大切になります。

坐骨神経痛が起きている範囲によって、どの筋肉に整体をすべきかが変わります。

坐骨神経痛を起こす代表的な筋肉は、お尻にある「梨状筋りじょうきん」と「小臀筋しょうでんきん」です。
梨状筋は股関節を外に捻るさいに働きます。
小臀筋は立っているときや歩行時などによく働きます。
この2つの筋肉に硬直があり、血管を締めつけてしまうと、坐骨神経痛が発症するといわれています。


どちらの筋肉も坐骨神経痛を引き起こしますが、その症状はそれぞれで異なります。
梨状筋に硬直がある場合は、お尻を中心に痛みやしびれが出ます。
小臀筋に硬直がある場合は、お尻だけでなく、足首あたりにまで痛みやしびれが出ます。
もちろん、必ずそうではなく例外もあります。
ですが、どちらの筋肉に問題があるのか、ある程度の指標にはなります。
Yさんは足首まで症状が出ていますので、小臀筋に問題があるだと思われました。


そこで、小臀筋の上に覆い被さっている大臀筋や、小臀筋に影響しやすい中臀筋を調整したあと、小臀筋も念入りに整体させていただきました。
さらには、腰全体に影響する大腰筋などにも整体を行いました。
初回の整体ではあまり坐骨神経痛に改善がみられませんでした。
ですが、2回目も同じように整体をすすめていくと、かなり症状が楽になったそうで、とても喜んでいただきました。
坐骨神経痛は頑固なこともありますが、無事に楽になってもらえてよかったです。
梨状筋や小臀筋のケアが、坐骨神経痛には大切です。